課題の後で







31日って暇?って彼女がメールしてきた時
なんとなく嫌な予感はしたんだよね

姉さんは予感よりも私の予言を信じなさいって言うけどさ
姉さんのタロットって僕には当たったためしがないんだよね

それでももしかしたら、僕の期待通りに
姉さんの思惑通りに
事が運ぶってこともあるかもしれないし
あきらめるのはまだ早いとは思うんだ


そりゃあさすがに君の部屋に通された時は
僕も期待で先の展開をシュミレーションしちゃったけどさ

机に広げられた夏休みの課題を見た時には
ああ、やっぱり現実なんてこんなものかと
姉さんの占いをみごとに外してくれる君の才能に
改めて僕は自分の運の弱さを思い知らされるんだ




「こんなことじゃないかと思ったけどさ・・・。」

「何?」

「夏休みって今日でおしまいだよ?」

「うん?だから今日中にすればいいんでしょ?」

「そうだけどさ・・・。」

「だから不二君を呼んだんじゃない。」


それって喜んでいいのかな?

不二君なら絶対断らないって思ったから、
なんて台詞はさ、
とても嬉しくてとても残酷で

君のそばにいる時間は幸せだと思うけど
思いが通じないのなら
隣にいても切ないだけ

数式を眺めながら
このまま夏休みが終わってしまうんだと思うと
遠慮なしにため息が出てしまう


「明日から学校だね。」

「そうだね。」

「また毎日会えるね。」




君が屈託なく笑うから僕は負けそうだったよ

だってそうじゃない

言ってくれれば夏休みだって毎日会えたのに・・・





だから君が課題を終えたら
僕は僕の課題に取り組もう





僕は君がとても好き

君も僕の事、好きって思っていいよね?



これは予感じゃなくて真実だ、って!













☆あとがき☆
夏休みがおーわーるー
といっても毎日仕事の私には夏休みなんて死語ですけどね
宿題がない代わりに時間を売ってる身としては
学生だった頃がキラキラ輝いて見えますわ(苦笑)