この俺様が、一人の女をこんなに欲しいと思うなんて…。
選択の瞬間(跡部)
跡部は、の家へと向う車の中で、自分自身を揶揄していた。
初めて会った日、あの時からアイツの事を欲していたんだ。
「アナタ、何様のつもりなの? いつも不二くんに纏わり付いてっ!」
たまたま通りかかった路地の間から、聞こえた声。
青学の制服に不二という名前を聞いて、青学テニス部の不二の関係したことだと分かった。
人助けなんて柄じゃねぇが、見ると一人の女を数人の女が取り囲んでいた。
俺様が出て行くと、取り囲んでた奴らはあっという間に消えていった。
「あの…」
「ああ?」
「ありがとう…ございました。」
「別に… 礼を言われるようなことをしたワケじゃねーよ。」
その時俺は、初めてアイツの顔を見つめた。
目が合った瞬間、俺はアイツを手に入れようと決心していた。
「でも、助かりました。」
なんとか声を絞り出しているといった感じのそいつに、俺は尋ねた。
「お前… 不二の女なのか?」
「え… いえ…、私は、周ちゃんの幼馴染です。家が隣なので… 」
「ふぅーん。だったらお前、俺様と付き合えよ。」
「えっ?//」
「ククッ…ちゃんと聞こえたんだろ? 俺様の女になれって言ってんだよ。」
「私のことなんて、何も知らないじゃないですか!?」
「お前のこと、気に入っちまったんだよ。それに…」長い指が私の顎を心持ち上向きに持ち上げて言った。
「知らないんだから、教えてくれよ…」
俺は、有無を言わせず、の唇を奪った。
がもし来なかったら…そんな不安が頭を掠めた。
その時、運転手が車の外から、後部座席のドアを開けた。
「こんばんは…//」
俺は、無言でを引き寄せた。
「跡部…さ…ん//」
「景吾だ。ここへ来たってことは、オマエもそのつもりだって思っていいんだろ?」
いつもどおりの口調で言ったつもりだったのに、自分で聞いても自信無げな声だった。
ちくしょう…俺らしくねぇじゃねーか。
が、俺の腕の中で、こっくりと頷いた。
「不二は…いいのか?」
夕方、学校帰りのを送ってきたとき、不二がを待っていたのを
サイドミラー越しに見ていた俺が聞いた。
は一瞬目を閉じると、決心したんだろう、俺を見つめて言った。
「周ちゃんは、今でも私にとって大事な人です。でも、私は…」
「それだけ聞けば十分だ。」俺はの唇を塞いだ。
「さっき約束した、もうひとつのプレゼントだ」
俺は、の手をとって、指輪をはめてやった。
「これは…//」
「さっきのオマエだったら、絶対受け取らなかっただろ?」
俺の言葉に、が微笑んだ。
俺を選んだことを、後悔なんてさせねぇ。
「愛してる…。初めて会ったときから。」
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4万打ヒット記念のフリー夢として書かせていただきました 不二vs跡部の選択夢
いかがだったでしょうか?
この二人にもし同時に求愛されたら…どちらかを選べる自信が私にはないので
両方選択できる形式にしたのですが、欲張りですよね(笑)
この夢は、9月末日までフリーとさせていただきます。
「4万打記念・フリー夢について」のページをお読みになってから、お持ち帰りくださいね^^
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☆お礼☆
広瀬澪さま(旧・藍澤櫻さま)のサイト『Aquamarine』4万打記念フリー夢をいただきました。
私が初めて頂いたフリー夢です。
我流で始めたこのサイトに頂き物の部屋を作る事になってしまい、
うまくUPできるか自信がなかったのですが、櫻さんの不二君も跡部君も素敵過ぎて、
結局選択できずどちらも頂きました。
私は跡部を描く技量が足りないので、澪様のサイトの跡部にいつも魅了させていただいてます。
(もちろん不二も当てられっぱなしです。)
これからも素敵な夢を楽しみにしてます。
4万打、本当におめでとうございました!
木之本桜
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